歴史の年号や数学の公式、英単語など、受験勉強においては、暗記しなくてはいけないことがたくさんあります。
しかし、暗記が苦手でなかなか定着しないと悩んでいる方は多いのではないでしょうか?もしかしたら間違った暗記法で勉強しているかもしれません。
間違った暗記法で覚えようとしても定着せず、時間が無駄になってしまうため、効率のいい暗記法を実践することが大切です。
今回の記事では、暗記が苦手な原因や効率のいい暗記法、暗記する際の注意点について解説します。
暗記が苦手という方は、本記事を参考にしてください。
暗記が苦手な人は多い?
暗記科目に苦手意識を抱いている人は少なくありません。
暗記が苦手という人の声は以下の通りです。
- せっかく覚えてもすぐ忘れてしまう
- 暗記が苦手だから理系を選択した
- ただ覚えるだけの暗記が苦手
- 暗記が苦手で勉強が進まない
- 効率的に暗記する方法を知りたい
このように暗記に苦手意識をもつ人は数多く存在します。
では、どうして暗記に苦手意識を抱くようになるのでしょうか?
暗記が苦手な原因
ここでは、以下の暗記が苦手な原因を解説します。
- 強い苦手意識を持っている
- 一度に暗記する量が多い
- 暗記ノートを作るだけになっている
- 集中しにくい環境にいる
- 復習していない
強い苦手意識を持っている
暗記ができない原因として、強い苦手意識を持っていることが考えられます。
人間は苦手意識があるものに対しては、本来の実力を発揮することができません。
自分自身の能力に不安を感じている状態では、自信を持って取り組めないためです。
「暗記が苦手」という意識をもつよりも、「前よりは覚えられるようになった」「続けていれば暗記が得意になるかも」というように、苦手なものに対しても前向きな姿勢をもつようにしましょう。
一度に暗記する量が多い
なかなか覚えられないという人は、一度に暗記する量が多いかもしれません。
人間が一度に短期記憶できる内容は7個までと言われています。
一度に覚えられる量を考えずに詰め込んでしまうと定着しません。
そのため、70単語を1日で覚えようとするよりも、1週間に10単語ずつ覚えたほうが定着しやすいのです。
もちろん、暗記できる量には個人差があるので、自分のキャパを考えながら暗記していきましょう。
暗記ノートを作るだけになっている
暗記学習をする際に、暗記ノートを作っている人は注意しましょう。
目的が「暗記する」ではなく「ノートを作る」になっている可能性があるためです。
暗記ノートには、覚えにくい単語や間違えた問題などをまとめていきます。
後から復習できるように見やすくまとめることは大切ですが、時間をかけすぎないように注意してください。
ちなみに、使用するカラーを最小限にする、覚えられないページには付箋を貼るなどして、暗記しやすいように工夫することが重要です。
集中しにくい環境にいる
暗記学習をするときに、どのような環境で勉強しているかを見直してみましょう。
限られた時間で暗記を進めるには、高い集中力が求められます。
騒音があったり、人の出入りが多かったりすると、気が散ってしまう可能性があります。
自分の部屋や図書館、塾の自習室など、集中しやすい環境で暗記学習を行うようにしましょう。
なお、少し音があったほうが集中できるという方は、カフェや教室、リビングなどでも良いかもしれません。
復習していない
暗記学習の鍵は「反復学習」です。
一回勉強しただけでは覚えられません。
繰り返し復習することで記憶が定着していきます。
例えば、暗記学習をした次の日、3日後、1週間後といった感覚で復習すると、記憶が定着しやすくなります。
隙間時間などを使って、勉強した内容を思い出すようにしたり、暗記ノートを毎日見返したりして、反復学習を積み重ねていきましょう。
参考:京都医塾 【医学部受験生必見】記憶力を上げる方法はあるのか?合格のための暗記のコツを解説!
効率のいい暗記方法
それでは、効率よく暗記するにはどうすればいいのでしょうか?
ここでは、以下の暗記方法について解説していきます。
- 紙に書く
- 音読する
- 赤シートを使う
- イメージと一緒に覚える
- 語呂合わせを作る
- 他人に暗記した内容を説明する
ノートに書く
効率的に暗記するには、紙に書いて覚えると良いでしょう。
教科書をただ眺めるよりも、手を動かしたほうが能動的に覚えられます。
暗記していると集中力が続かないことがありますが、手を動かしていれば眠気も感じづらいです。
英単語等を繰り返し書いて覚える場合、ノートではなく、タブレットや裏紙を使ったほうが良いかもしれません。
ノートは、間違えた問題や覚えづらいことをまとめる暗記ノートにするのがおすすめです。
音読する
音読は効率的に覚える方法の一つです。
声に出すことで音声としても認識できるため、視覚だけを頼るよりも覚えやすいと言えます。
英単語を音読して暗記する場合、発音の練習にもなるので、発音問題の対策もできます。
さらに、紙に書く方法と併せて音読すれば、色々な感覚を使うので記憶に残りやすくなります。
赤シートを使う
効率的に暗記する方法として、赤シートを使う方法が挙げられるでしょう。
暗記学習の定番とも言えます。
まず覚えたい単語などを赤ペンでノートに書きます。
隣に単語の意味や解説などを黒ペンで書き、単語だけが赤シートで見えなくなるようにします。
隙間時間に確認できるだけでなく、繰り返し復習しやすい点が赤シートの便利なポイントです。
イメージと一緒に覚える
効率的に暗記する方法として、イメージと一緒に覚える方法が考えられます。
ここでいうイメージとは、画像や動画などのことです。
例えば、「Apple」と文字だけで見るのではなく、赤色のりんごの画像と併せて「Apple」を見ることで、視覚的に暗記できるようになります。
英単語を覚える際は、わからない単語の意味を調べる前に、まずは画像検索をしてイメージを掴むことをおすすめします。
語呂合わせを作る
歴史などの年号は、語呂合わせを作ると良いでしょう。
もちろん、歴史的な出来事の流れやストーリーを理解して、年号を思い出すことも可能ですが、時間内にテストで回答するためには語呂合わせが役に立ちます。
横須賀市教育情報センターが後悔している「歴史年号ゴロ合わせ表」など、インターネット検索すると語呂合わせのヒントを得られます。
こういった資料をダウンロードしたり、自分なりに語呂合わせ表を作ったりしてみましょう。
他人に暗記した内容を説明する
他人に暗記した内容を説明する方法もおすすめの暗記法です。
他人に説明する際は、相手にわかりやすいように説明内容を順序立てて説明します。
この作業をすることで、頭の中が整理され、自分自身の理解度も高めることができます。
説明する際は実際に人がいなくても、独り言で構いません。
自分よりも下の学年に説明する気持ちで、わかりやすい説明を心がけることが大切です。
暗記する際の注意点
ここでは、以下の暗記する際の注意点を紹介します。
- 十分な睡眠時間を確保する
- 完璧を目指さない
十分な睡眠時間を確保する
効率的に暗記するには、十分な睡眠時間を確保する必要があります。
睡眠は暗記と深い関わりを持ちます。
レム睡眠時は、新しく覚えたことを過去の記憶や経験などと関連づける過程が進みます。
記憶された物事などが索引されることで、記憶をスムーズに呼び起こすことができます。
私たちの脳には「海馬」と呼ばれる記憶を整理する器官があります。
睡眠不足だとこの海馬が縮小してしまい、記憶力が低下してしまうのです。
厚生労働省が公開している資料「健康づくりのための睡眠指針の改訂について(案)」で推奨されている中学生・高校生の睡眠時間は8〜10時間です。
最適な睡眠時間は個人によって異なりますが、質の高い睡眠が取れるように睡眠環境を整えましょう。
完璧を目指さない
暗記する際の心構えとして、完璧を目指さなくても良いことを覚えておきましょう。
繰り返し暗記してても、暗記した内容を全て思い出せないことがあります。
例えば、英単語の意味はわかるけど、スペルは覚えていないケースなどです。
覚えられないことにネガティブになるのではなく、「意味は覚えられたから後はスペルだけ」と前向きに捉えることをおすすめします。
こういったネガティブな感情は、苦手意識を形成・強化してしまうのです。
まとめ
今回の記事では、暗記が苦手な原因や効率のいい暗記法、暗記する際の注意点について解説しました。
暗記が苦手という方は、苦手意識が強すぎたり、一度に暗記する量が多かったりする可能性があります。
まずは自分がどうして暗記できないか、その原因を理解して改善につなげましょう。
効率的に暗記するには、視覚以外の感覚を使う、赤シートを使うなどして、工夫することをおすすめします。
暗記した内容は一度きりにするのではなく、繰り返し反復学習することが大切です。